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長壁 豊隆; 神木 正史*; 岩佐 和晃*; 加倉井 和久*; J.-M.Mignot*; I.Goncharenko*; 岡山 泰*; 高橋 博樹*; 毛利 信男*; 久保田 正人*; et al.
Physics of Strongly Correlated Electron Systems (JJAP Series 11), p.123 - 125, 1998/00
少数キャリアー物質CeP,CeAsについて、磁場あるいは高圧下において、結晶場基底状態Ceイオンの間に励起状態のCeイオンの層が周期的に分布し、かつその周期が磁場あるいは圧力によって系統的に変化することが明らかになった。さらに、1.5GPa以上(CeP)あるいは2.5GPa以上(CeAs)の高圧下において、CeSbに見られるものと同様な磁気構造も見いだされた。これらの実験結果は、CeXにおける特異な磁気的性質が、キャリアー数を基本的なパラメータとして統一的に理解できる可能性を示している。また、その現象をもたらす原因として、キャリアー間のクーロン相互作用、及びキャリアーと4f電子の間の混成効果(p-f混成効果)が大きな役割を果たしていると思われる。
長壁 豊隆; 神木 正史*; 岩佐 和晃*; 中島 徳秀*; J.M.Mignot*; I.N.Goncharenko*; 岡山 泰*; 高橋 博樹*; 毛利 信男*; 芳賀 芳範; et al.
Physica B; Condensed Matter, 230-232, p.645 - 648, 1997/00
被引用回数:17 パーセンタイル:69.66(Physics, Condensed Matter)CePはキャリアー数が少ないにもかかわらず、高濃度近藤効果的な伝導現象を示すとともに、磁場及び圧力下で複雑な磁気相図を示すことで興味が持たれ、精力的に研究されている。我々はここ2、3年、磁場及び、圧力下の中性子回折実験を行い、相図中の磁気構造の解明を行ってきた。最近、P=2GPa以下の圧力下での磁気相図と相図中の磁気構造がほぼ明らかになったので報告する。我々は、CePの複雑な磁気相図と磁気構造が、磁気ポーラロン状態にあるCeイオンと、正常な、結晶場基底状態Ceイオンとの共存/競合によってもたらされたものであると考えている。
長壁 豊隆
東北大学博士学位論文, 0, 110 Pages, 1994/00
Ce及びYb化合物において、少数キャリアー物質と呼ばれる一連の物質が異常な磁性を示すことで注目されている。この少数キャリアー物質のうち、CePは複雑なH-T及びP-T相図を示すことで特に興味が持たれている。本研究では主にCePの磁場及び圧力下の磁気構造、またCef電子状態を明らかにする目的で日本原子力研究所改3号炉の三軸型中性子分光器を用いて磁場及び圧力下での中性子散乱実験を行った。その結果、CePは結晶場基底状態として2種類の磁気モーメントを持つ特異な長周期磁気構造を示すことを始めて明らかにした。またこの状態を反映した結晶場スペクトルの異常を始めて観測した。現在、このCePの異常な磁性は糟谷等の提唱している磁気ポーラロンモデルで解釈されつつある。